フィリピンは日本から飛行機で約4時間で行ける距離にあり、他の東南アジアの国に比べて比較的近く、多くの日系企業が進出していることもあることから、日本から仕事で訪れる人は多いかと思います。
この記事では、初めてのフィリピン出張(特にマニラ周辺)を控える人に向けて、自身の経験やこれまで出張者から受けた質問をもとにして、どんな準備をすれば良いかをまとめました。
目次
出張が決まったら
ホテルの手配
受け入れ先で手配してもらえるのか、個人で手配するのかを確認します。フィリピンに支店や工場があり、日本人駐在員がいるような場合は手配してもらえるのが一般的です。
個人で手配する場合は旅行サイトを利用するのが早いですが、初めての場合で地理や治安の悪いエリアなどの情報が不足しているなら、無理せず、旅行会社に依頼するのも手かと思います。
飛行機の手配
インターネットや旅行会社を通して手配します。ちなみにマニラの場合は国際線の発着する空港ターミナルは3ヶ所ありますが、利用する航空会社によって変わってきます。
出張者を受け入れる側はどの航空会社を利用してくるのかを確認して、間違えないように到着に合わせてピックアップに行きます。
空港からの移動
受け入れ先がピックアップに来てくれる場合はそのピックアップポイントや車の種類、連絡先などを確認しておきます。顔見知りが来てくれる場合は良いですが、そうでない場合は何かあって困らないように上記を漏れなく確認しておきます。
タクシーを手配する場合はメーター制やクーポン制などでいくつか種類があります。
また、フィリピンではGrabタクシーが利用できます。アプリで簡単にタクシーを呼ぶことができますが、到着直後の出張者の場合は各ターミナルにGrabのブースあり、係員に必要な情報を提示することで呼んでもらうこともできます。利用する場合は事前にチェックしておきましょう。
ビザ
日本人は30日以内の滞在に対してはVISAは不要です。ただし、30日以内にフィリピンを出国することが確認できる復路又はフィリピンから他国に出国するための航空券を持っていないと空港チェックイン時に、まず日本からの渡航自体を止められますので、注意が必須です。
予防接種
A型肝炎、B型肝炎、狂犬病など、心配な方は出張前に準備してください。とはいえ、数回接種が必要な予防接種になるため、急な出張等では接種するには時間的な余裕は無いかと思われます。街中では野良犬と遭遇する機会はないかと思いますが、猫を踏んで引っ掛かれた知人がいますので、踏まないように注意してください。
出張の服装、持ち物
暑いけど長袖
常夏のイメージ通り、年間を通してTシャツ、半パンで過ごせるような国ですが、室内は冷房がよく効いており寒く感じるかと思います。
ですので、室内での打ち合わせやレストランでの会食などでは、長袖シャツもしくは上に羽織れるジャケット、カーディガンなどがあると良いです。暑ければ、脱いだり、袖をまくったりできる格好にしましょう。ただし、「俺は相当暑がりだ」というような方には当てはまりません。
衛生面であれば良いもの
ウェットティッシュ、虫除け、日焼け止めクリーム等は自分を守る上で準備しておいて間違いは無いかと思います。
WATSONSやマーキュリードラッグ等、現地のドラッグストアでも購入することはできます。
その他の持ち物
電源コンセントは日本と同じですが、電化製品を持ち込む場合、電圧が220ボルトなので、注意が必要です。
スマホやPCの電源コードは大抵対応しているので、問題なく使用できますが、お気に入りのドライヤーなどはフィリピンで使用できないかもしれません。
携帯電話はどうするか
日本で海外でも使用できる携帯電話やWi-Fiルーターを準備することが簡単です。
SIMフリーの電話を持っている場合、フィリピンでSIMカードを買えば、安価にデータ通信やフィリピンでの通話を行えます。
日本ではあまりSIMカードだけ買って、自分のスマホに差し替えて使用することはないかもしれませんが、フィリピンでは簡単に購入して、そのとき限りの電話番号を持つことができます。
お土産
フィリピンでは日本食材やお菓子が購入できますが、当然ながら価格は高く、日本の倍ぐらいします。ですので、日本人の駐在員の立場から言うと、かしこまった高級感のあるお菓子等よりもスーパーで普通に売っているようなものが意外とうれしいです。
小分けになって包装されているお菓子であれば、休憩時間に皆が好きなように食べられるので、喜ばれます。
現地人に買っていく場合はチョコレートが無難です。抹茶味は好き嫌いがあるので、オススメしません。
旅の予算
ホテル
日本人がビジネスで滞在するようなホテルではカード支払いができます。予算はピンキリですが、日本の価格と同じくらいのイメージで良いかと思います。
食事
食事にかかる予算は食べるものや店のランクにもよりますが、日本と同じくらいと考えて準備すれば良いかと思います。
フィリピンにもある日本食チェーンで例を挙げると、丸亀製麺のかけうどん並で約200円、CoCo壱番屋のカツカレーで約700円などです。
宗教上で豚や牛が食べられない等の制約はありませんので、和洋中何でも揃っています。日本食も食べられますし、味もまずまずです。食事に困ることはないでしょう。
飲酒
現地のサンミゲルビールは日本食レストランでも150円程度からで飲むことができます。
コンビニやスーパーでも普通に買うことができるので、ホテルの部屋で飲みたい場合も大丈夫です。
現地調達できるもの
ビジネスで必要なデータや書類以外の大抵のものはその気になればすべて現地調達できます。
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなどのコンビニがあります。例えば、歯ブラシやシャンプーなどすぐに購入できます。ユニクロ、ダイソー、無印良品などもあるので、服や小物も入手できます。
もちろん、日本企業に拘らなくても、ローカルや外資ショップで大抵揃っています。
価格は日本企業のものは当然日本で購入するより割高になります。
コミュニケーション
公用語は英語、タガログ語
コミュニケーションは英語が普通に使えます。フィリピン人はタガログ語も話しますが、方言も多く、現地人いわくタガログ語とかなり違うらしいです。
タガログ語で挨拶
基本的に英語でコミュニケーションができますが、少しタガログ語を話すと確実に喜ばれます。
マガンダンウマガ(おはよう)
マガンダンハーポン(こんにちは)
サラマッポー(ありがとう)
くらいは使ってみて損はないでしょう。
フィリピンで仕事
女性の働き手が多く、女性管理職も多く活躍しています。私の職場でも女性が強いし、男性より仕事ができる印象があります。
初めてのときはシャイに感じても、少し打ち解けるだけで、陽気で明るい性格が露わになります。
仕事中でも鼻歌が聞こえてくるような雰囲気があります。
注意事項
時間のゆとりを持とう
マカティを始め、渋滞に巻き込まれることが日常茶飯事なので、時間にはゆとりを持ったスケジュールを組みましょう。
特に帰りの飛行機に間に合わない、などは避けるよう出張者先の駐在員等から最新の情報を入手しましょう。
ちなみにフィリピンではひどい渋滞のことを「Heavy traffic(ヘビートラフィック)」と言い、よく遅刻の言い訳に使われます。
貴重品管理
街中では、スリが発生しやすいので貴重品を持って出歩く際は要注意です。フィリピンに住んでいる私の知り合いだけでも、何人かスリにあった人がいます。
油断や意識が他に向いてしまうような状況になっても貴重品が取られにくいよう、持ち方から注意しましょう。
生モノは避けよう
半熟卵や刺し身など、またレアの肉等は注意が必要です。ホテルにぬ朝食で半熟の目玉焼きやスクランブルエッグが出てきたら、当たるかもしれません。
海外では大体そうですが、水道の水は飲めません。
レストランやホテルの抜け漏れ
レストランやホテルでは対応が遅いときや忘れられて困ること(タクシーの手配など)はフォローや念押し確認する方が良いです。
会計間違いにも注意が必要です。
時間ができたら
マニラには大型のショッピングモールやカジノ、ナイトスポット等の見所があります。
時間があれば、見に行ってみるだけでも良いかと思います。
フィリピンのきれいなビーチや海は残念ながらマニラでは見れません。
体調を崩したら
マニラのマカティには日本人クリニックがあります。マニラ日本人会の事務所が入っているビルにあり、平日は午前と午後、土曜日は午前に診察を行っています。
また、マカティメディカルやボニファシオグローバルシティ(BGC)にあるセントルークスの救急外来でも診察してもらえます。
私の家族も食あたりで、夜間に駆け込んだことがあります。日本人デスクもありますので、英語が苦手の場合は事前に確認してみてください。
帰国時の注意
どのターミナルから出国か
飛行機の手配でも説明したように、利用する航空会社によってターミナルが異なります。各ターミナル間は歩いて移動できる距離でもないため、間違えないように注意が必要です。
空港入り口
入り口では、パスポートとチケットの提示を求められますので、素直に従いましょう。セキュリティの観点から日本のように誰でも簡単にチェックインカウンター付近まで入れるわけではありません。
その他のこと
タール湖火山の噴火2020
この記事を書いている時点では、落ち着いているようです。
万が一に備え、連絡をとれる体制をしっかりと確認しておきましょう。
風向きによってはマニラ周辺まで火山灰が飛んできますのでマスクなどを持参しておきましょう。
2020年1月の噴火時はマニラ周辺でも降灰したため、ドラッグストアではマスクが売切れ状態となりました。
COVID-19
この記事を書いている時点では、フィリピンへの外国人の入国は2020年8月から一部のみ再開されるようです。
フィリピンでは長期のロックダウンを実施してきましたが、なかなか感染者の数が収まる気配がありません。OFW(海外で働いているフィリピン人労働者)のフィリピンへの帰国が優先されており、外国人の入国は2020年中は無理ではないかという噂もありましたが、経済のためにはいつまでも閉ざしているわけにはいかないのかもしれません。
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